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京極夏彦「覘き小平次」

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押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。
ある時、旅巡業の声がかかるが、それは凝り続けた愛と憎しみが解き放たれる修羅の幕開けであった。
女房・お塚を始め、小平次の周りに蠢く生者らの欲望、悲嘆、執着が十重二十重に渦巻き絡み合い炸裂し――やがて一つの異形の愛が浮かび上がる。


御行の又市シリーズでおなじみの治平さんが脇役で出てきます。
又さんも名前とその仕掛けはちらりと出てきますが、姿は見せません。
嗤う伊右衛門に続く古典怪談シリーズなのだそうですが、残念ながら元ネタの怪談を知らない…。
でも、前作も元ネタと全く切り離しても面白かったので、全然OKかと。

で、要約にもある通り、というか、京極作品に一貫している形式通り、
一見バラバラに撒かれたピースが一つ一つ繋がり、最終的に一つの形にまとまる構成は流石。
どこにも矛盾や祖語が感じられない(私の拙い読解力では説得力がないけど)流れでした。

ただ最後に浮かんできたのは異形の"愛"なのか、というと…うぅむ。
愛についての解釈はそれぞれですからね…家族愛、男女愛、人間愛etc…。

人生経験値の少ない私には、小平次とお塚は若干理解が及ばないところかもしれない。
でも、"ただそこに存在することの強さ"は感じました。そして、強いものは怖い。
小平次はもう一種の悟りの境地なのではないだろうか…。
世俗に生きる僧侶みたいにもみえる。
だとしたら、押入にいるのは忌み籠りであり、一寸五分から見る世界は半眼で瞑想にふける様に通じ、存在するだけで他人の感情を揺さぶる姿は神仏の類に近いのではないか…。
だとしたら、一生そこに理解は及ばないかも。

その分、煩悩にまみれた女形や鼓打ちや人斬り達の話は理解が及び過ぎて…。
なんか心の中を急襲された気がしてドキッとしました。
人間だれしもこんな一面が必ずあると思うので読めばドキッとするはず。
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